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zoom RSS 筑波大学大学院教授・古田博司 『「老人」と中国が北の独裁支える』より地政学風味の妄想

<<   作成日時 : 2011/12/25 15:43   >>

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最近売れていると思われる本に『われ日本海の橋とならん』(加藤嘉一著 ダイヤモンド社2011年刊 1575円)がある。amazon.co.jpのランキングでは「日本論」として21位、全和書で6,955位となっており、これが売れている数字なのかは読者にお任せする。

われ日本海の橋とならん
ダイヤモンド社
加藤 嘉一

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古田教授は掲載論文の中で、今や中国の経済植民地と化した北朝鮮が、例えばウォンサン・ハムフンあたりを人民解放軍あたりに租借させて、中国海軍が常時日本海に航行するという事態になったら困る。そうなってしまっては、まさに日本海を越えれば中国となってしまいかねないと説く。

何も接点がないこの書籍と論文が、私の頭の中ではまだうっすらとではあるが、結びついているように感じる。本来中国(清朝時代)は日本海岸を支配していたが、1858年の愛琿条約でロシアに引き渡したという歴史がある。これによって中国が直接に日本海とアクセスするのが不可能になった。(本人は「そんなつもりはなかった」と弁解するだろうが)先ほどの日中友好をうたう『われ日本海の橋とならん』というタイトルは、中国が北朝鮮を実質上の保護国として、(または元山(ウォンサン)・咸興(ハムフン)が実質中国領になって)しまえば、確かに日本海を越えれば中国だよね、と加藤氏にツッコみたくなる。せめて「東中国海」(中国語の「東シナ海」の呼称)にしておけば問題なかったよね。

ここまでは政治向けの話。軍事的には、中国海軍にはまだ1000トン以上の艦艇の数は海上自衛隊より少ないので、それをどのように北海艦隊(渤海湾の守(まも)りを主任務とする)・東海艦隊(対日・対韓の攻守を担う)・南海艦隊(南シナ海でスプラトリー諸島を防衛の名目で波風を立てるのがメイン)に振り分けるのかすら彼らには頭の痛い問題である。そしてその北朝鮮領の港町に本拠地を置くであろう新艦隊にどれだけの軍艦を差し向けられるのか、そしてその軍艦は対日・対韓戦に(部分的にはロシア・アメリカ戦)役に立つのだろうか、人民解放軍海軍当局が頭を痛めかねない。


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海は障壁ではなくハイウェイであると喝破した学者が古田教授の先輩格にいた。しかし海を軍用艦艇のハイウェイにするにはそれは大変な努力を注いで、なおかつそれができたのがアメリカ海軍・海兵隊のみであった。この論文を書いた古田教授はそれより劣るGDP世界第2位とはいえ、国内には貧困が残っているという国力で日本海のプレゼンスを中国が本気で増していこうと思っているのか、私には疑問である(もちろん、バターより大砲、という至言は存在するが)。

ちなみに、フリゲート艦1〜2隻を常時または適宜日本海に浮かべておくのは、特に後者ならば他国海軍にもする権利があるので、いちいち騒ぐ必要はないのではないか(麻生政権時代の北朝鮮が「人工衛星」を飛ばすといったその時期に、フランス海軍はひょこひょこと植民地警備用フリゲートを、海自との通信演習の名目で日本海に派遣したことは覚えている)。

まぁ、だからといって油断していい訳ではなく、海自さん・空自さんには通常の任務として、必要に応じて偵察やスクランブルを怠らないで欲しい。

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