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zoom RSS 米中冷戦の幕開けか?――中国、新兵器を続々開発

<<   作成日時 : 2011/01/13 17:12   >>

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今更米中対立の話は聞き飽きたという読者は多いであろう。だが中国が実際にステルス性能とスーパークルーズを持ち合わせた戦闘機を開発したとなれば、少なくとも戦略blog的には聞き捨ててはおけない。

米軍トップのマイケル・マレン統合参謀本部議長は昨日、中国の次世代兵器開発計画にコメントし、特に殲20(J20)戦闘機に対して、合衆国空軍のF22戦闘機に匹敵する性能を持っているのではないか、とプレスに打ち明けた。

だが一方で、マレン議長は「中国には自国が望む軍備を開発するあらゆる権利がある。彼らは世界に影響を与える国家として台頭しつつある。米国も同じようにわが国の国益を守るために戦闘能力を発達させてきた」と語り、冷戦的な事態で思考することを厳かに戒めた。ジョン・ミアシャイマーというネオ・リアリストでオフェンシブ・リアリズムを唱える国際政治学者は、道徳観念を抜きにして、世界のどこの国でもこのような事態は起こりえることを常に語っている。特に中華人民共和国はリーマン・ショック後の世界経済大混乱の最中も順調にGDPを増やし、それを人民解放軍の軍拡を支える資金としており、これも聞き飽きたかと思われるが、第1列島線・第2列島線の名の下に自国の海の防衛線を拡大しようともくろんでいる。

これに対してアメリカ合衆国は、沖縄本島とグアム島の軍事施設を再編することによってその拡大を阻止しようともくろんだが、日本の国内政局に戸惑わされ、取り扱いに混乱を来しているかのように見える。

とはいえ米中両国は冷戦を戦っている間柄ではない。両国の経済が相互補完的になっているので、冷戦にせよ熱戦にせよ、実際に戦うとなれば汎太平洋圏域の経済が崩れる恐れがある。もちろん、だからといって熱戦の可能性がゼロになるわけではないが、むしろ米国側はこの経済的相互補完関係を利用して中国を変えていこうとする関与戦略を採用している。だがその関与戦略の最中にも駒の進退は続いており、中国は航空兵器や宇宙兵器の開発に余念がないし、米国もその分野におけるナンバーワンの地位を簡単に捨てるとは思えない。

ではどうするかといえば、この記事では「軍事衝突に激化しうるあらゆる潜在的な問題をしずめるためには、米中の直接的な軍事関係が重要である」ということになる。これも関与戦略の一環に違いないのであろう。まぁ、冷戦時代には米ソの偶発的核戦争を防ぐために「ホットライン」を設置したが、現在の米中関係はトップだけの交流ではなく、あらゆる階級の軍人や政治家が実際に中国とかかわりを持つという形の交流を実行している。

さて、米国は現在、ジョセフ・ナイが唱えるソフトパワーにおいて世界一の実力を誇っている(といっても、ソフトパワー事態は簡単に数字化できるものではない)ものの、実際にそれが中国に対してどのような影響力を行使しているかは当のナイにしても不明なものであろう。もちろんソフトパワー自体、ハードパワーのように一瞬にして威力を発揮できるものではないため、影響力は少しずつ蓄積されていく性質のものである。それがどのように蓄積され、蓄積された結果どのような作用を起こすのかは明らかではない。

現在米中両国にできることはパワー(power:権力とも実力とも訳せる)の蓄積であることは明らかで、その蓄積をどれだけ米中関係に分配するかが国際政治の肝である。





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内 容 ニックネーム/日時
急な話でプレスリリース通りの記事をアップしてしまいましたが、どうやらこの飛行機は単なる実験機でかつスーパークルーズ能力などは持ち合わせていないということです。というかカタログ上の最高速度がマッハ1.5を切っているという時点で中国の科学力と諜報能力を疑ってしまいます。
池沼・高橋和司
2011/01/19 06:17

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