高橋和司 戦略 Blog

アクセスカウンタ

zoom RSS ロシア、外交プロトコルを侵害か

<<   作成日時 : 2010/12/16 18:06   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0





近代ヨーロッパには、無用な戦争を回避するためのさまざまな厳しいおきてを自ら課してきた。それらの制度は帝国主義の時代を経て、アジア・アフリカ各国が独立しても、それらの国々は国際社会に参加するために可能な限りそれらのおきてを守ってきた。この「おきて」というのが「外交プロトコル」である。最もそれは国際法として認知されていないので、おきて破りが即戦争になる、というわけでもない。それでも外交プロトコルを破れば、相手国の国民感情を刺激することは間違いない。

この度、サンクトペテルブルクからフィンランドの首都ヘルシンキまでの区間で、高速鉄道がデビューした。その記念式典に出席した中で最も位が高い人物は、フィンランド側が大統領なのに対してロシア側は(あの男とはいえ)首相であった。

まぁ厳密な話をすれば、ロシアは「タンデム政権」とやゆされてはいるものの、大統領が最高権力を握る制度を採用しており、対してフィンランドはドイツのような象徴大統領制で、政治権力を持っているのはもっぱら首相である。つまり両国とも言葉は悪いが「暇人」を派遣したことになる(プーチン首相などは政治の話題ではなく、セレブとしての話題で世界中を楽しませているように見える)ので、一見筋は通っている。

しかしここで先述の「外交プロトコル」の話をし始めると、実はロシアはフィンランドに対して無礼を働いたことになる。このような国際イベントでは、可能な限り両国の最高位の人物の肩書きをそろえるべき、というしきたりがある。これに照らし合わせると、フィンランドは国家元首をこのイベントに出席させたのに対して、ロシアは暇人行政府の長に過ぎない首相を出席させたということは、実はフィンランドに対して無言の圧力をかけているように見える可能性がある。

実際、メドヴェーチェフ大統領は最高権力者としての激務の傍ら、我らの言う北方領土を視察しているではないか。これも外交プロトコル上、ロシアはこの問題で妥協する気は一切無いという意思表示となる。

とはいえ、最初に述べたように外交プロトコルは国際法として認知されていないので、例外も見ることがよくある。例えば日本の場合、「日米首脳会議」というと、日本側が総理大臣(おとど、もしくはprimeとはいえministerだな)なのに対して合衆国側は大統領である。両国が友好関係にあればこのように問題は発生しない。日韓首脳会議も同じである。金鍾泌元首相のような実力者でない限り韓国側では大統領が出てくる。これも問題とはされていない。

これに対して中国相手だと、どんな肩書きの人物と会ったかが頻繁にマスメディアで話題にされる。だから中国政府・共産党の人物が我が天皇陛下にお目通りできたかどうかが話題となり、逆に日本政府・与党の人物が中国のどのあたりの位の人と面会できたかも話題になる。

だから、ここで俎上(そじょう)に挙げた問題に関して、露芬関係が友好的に推移しているのかも考慮するべきなのだろう。少なくとも日本語で読める資料上は露芬関係が悪化しているという話は聞かない。

ここからが国際政治学者の仕事なのだが、露芬関係が悪化しているからロシアが圧力をかけているのか、友好的に推移しているから肩書きほどの権力を持っていない両名を派遣させたかの分析が必要である。

P.S. 鉄ちゃん的話題からすると、フィンランドに初めて高速鉄道が導入されたことで、高速鉄道採用国がまた一つ増えたことになる。あと、写真で見ると分散動力方式を採用しているようなので、おそらくはドイツのジーメンス社あたりが製造を担当しているのだろうか。


世界の高速列車 (地球の歩き方)
ダイヤモンド社
三浦 幹男 秋山 芳弘

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 世界の高速列車 (地球の歩き方) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



世界の高速鉄道
グランプリ出版
佐藤 芳彦

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 世界の高速鉄道 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文

他人ブログのリンク

ロシア、外交プロトコルを侵害か 高橋和司 戦略 Blog/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる