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zoom RSS 極右化するモンゴルの反中感情、強まる警戒感

<<   作成日時 : 2010/09/02 08:40   >>

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本当に久しぶりのまともな記事による更新であるわけだが、中蒙間が歴史的に仲が悪いというのは地歴的(あえて地政学とはいわない)に当然のことである。大体本来は隣国同士は仲が悪いのは古来の常識であったわけで、今では地域的には過去形になりつつあるとはいえ、その地域に入りそうにないのがここ東アジアである。

この記事ではアジア系アメリカ人に対する注意の喚起を促している、ということだが、歴史的に仲が悪い中国と、最近活発な経済進出をしている韓国、観光でカネを落としてはくれるが顔かたちがよく似ている日本と、特に日本は漢字を常用しているせいもあって、モンゴル人の排外的民族主義の犠牲にされやすい。

大体中国の最後の王朝である清朝は、満洲・モンゴル・チベット・トルキスタン・中華を等しく支配する王の中の王という立場であったわけだが、辛亥革命で清朝が倒れた時、列強(特に日本)が債務の返済のことを考えて、中華民国は清朝の継承国家であると認めたことで、今の中華人民共和国の民族問題のきっかけを作ったといっても良い(ただし、それではほかにどういう政策がありえたかと問われると答えようもないのは事実である)。

この清朝の苦悩については下記の本が詳しい。

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それにモンゴルというのが内モンゴルとモンゴル国に分かれているのも清朝の政策の影響が大きい(ちなみに嫌中の人ならば、内外というより、南モンゴル・(北)モンゴルと称するべきだと思うがいかがだろうか)。大体南北モンゴルを合わせて1千万人を下回るモンゴル人に比べて、東北部(旧満洲)・河北省・山西省だけで億を数える中国人が住んでいることを考えると、中国人の人口圧でモンゴルが押しつぶされると、モンゴル人が本能的に考えても当然であろう。

日本の外務省は対中包囲網と称して、この小国に多大な外交努力を続けているが、モンゴルよりさらに人口密度の希薄なロシア極東部でも、かなりの数の中国人が平和裏に移住している様子がうかがえる。ロシア人もこの人口圧には苦慮しているが、ロシアの本国はヨーロッパであり、ある意味シベリア(極東含む)は見捨てられた土地ということになっているせいか、モンゴルで見られるほどの排外的民族主義は「シベリア・極東」では見られない(最もモスクワではネット界では有名な評論家・北野幸伯氏がそういう連中に襲われ、危うく一命を取り留めたという話もあるが)。

とはいえ、モンゴルがこのまま中国に押しつぶされるというのも単純な見方であろう。中国は国境を接しているすべての国と緊張関係を有し、中国の強大な軍事力もそのままモンゴルに向けるわけにはいかない上に、モンゴルには人民共和国時代からの血盟を結んでいる(その対象が日本―大日本帝国―なのが皮肉だが)ソ連→ロシアという国があって、西側の核の傘の実効性同様、ロシアがモンゴルを見捨てれば中央アジアや南アジアがこぞって安全保障上のパニックに陥るため、中蒙で実戦の火ぶたが切られれば、ロシアも動かないわけにはいかないだろう。せめてモンゴルが一考すべきなのは、1979年ごろのヴェトナムのようにソ連の力を恃んで対中強硬発言をするべきではない、ということくらいか。

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